今日は少し薄曇りのお天気ですね。
前回まで色々な母貝の違いによる真珠の種類についてざっとお話しました。
今日からは、真珠に関した言葉で、よく耳にするけれど、正確には意味を知らないかもしれない、用語についてお話ししたいと思います。
今日はシードパールについて、です。
パールちゃんもルイちゃんも神妙な様子でしっかりスタンバイ出来ました。
シードパールという言葉は、主にアンティークのジュエリーに使われる言葉ですが、アンティークジュエリーですと、1㎜にも満たない天然の真珠を指す言葉になります。
特にイギリスのヴィクトリアンの時代(ヴィクトリア女王が即位していた1837年から1901年までの時代を指します)に流行したパリュールと呼ばれるとても細かな細工のセットジュエリーなどに用いられることが多かったようです。
もちろん天然の真珠しかなかった頃ですから、大変希少な素材でした。
当時のシードパールはインドなどで主に採取されて、ヨーロッパに運ばれていましたので、貝の種類までは特定できないようです。
現代では、日本真珠振興会によると、天然、小粒の無核真珠のことで、海水産、淡水産を問わず、2mm以下のものを指す、との定義があるようです。最近、ネットでもシードパールが沢山目に留まるようになりましたが、アンティーク以外では淡水真珠の小粒のものがほとんどのようです。
小粒の真珠が多いジェイパールの中でも別格に扱われる、シードパール中のシードパール、とでも言うものがあります。
私がこの特別な真珠に出会ったのは、やはり10年ぐらい前のことです。
長くお付き合いをしている真珠の卸し業者さんが、手に入れたものの加工できることろがないんですよ、と、半ば持て余していた、1mmにも満たない砂のように小さな真珠の束。
正確にはアコヤ真珠の砂ケシ(*ケシとは無核真珠のことです。)と呼ばれるものでした。
この砂ケシもアコヤ真珠の養殖の過程で偶然に出来るものだそうですが、一つの貝に数粒しか見つからず、しかも大きさを揃えたり、穴を開けたりという気の遠くなる作業を考えると、あまりにも手間がかかるのでほとんど集まらないとのことです。
大変高価なもので悩んだのですが、余りの美しさに心を奪われてしまったようで、どうしても諦めきれず、運命だと思って迎え入れることにしました。
おかげで、ポワン ド ネージュ(雪の刺繍)というロマンチックなタイトルのジェイパールの中でも特別に思い入れのあるシリーズを作ることになりました。
希少なシードパールへのオマージュとして作っているので、繊細で実用的とは言えないジュエリーなのですが、そんなところさえ愛しいと大切に思ってくださる優しい方が沢山いて、人気のシリーズになっています。
着けるとこんなに繊細です。
ポワン ド ネージュの中で一番ボリュームのある30連のネックレス。
目を見張るような細やかさですので、是非、代官山店で実物をご覧になってみてくださいね。
重要ですので、ご購入の前にご確認ください。
*シードパールネックレスのご使用上の注意
下記のような紐状のものを好む猫の居るご家庭ですと、自宅で着用しようとするだけで、狙われること間違いありませんので、くれぐれも御注意ください!
近くにあるだけでとても危険です!
油断していると、
必ずこうなります。