今日は、南洋真珠のお話です。

(難しそうだから逃亡したいな。)

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(高いところに上っても、目が合うなぁ。)

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 南洋真珠は、シロチョウ貝という、30㎝近くにもなる大きな貝から作られる真珠で、オーストラリア、インドネシア、フィリピンで作られています。シロチョウ貝は、高級なシャツやブラウスの貝ボタンにも使われている艶々した綺麗な白い貝で、実は目に馴染みのあるものです。

 

南洋真珠の特徴は、何といってもその大きさですが、10㎜から15㎜ぐらいで一般的です。

大きいものになると、26㎜などというものまであります。色は大きく分けるとホワイトからシルバー系のものと、イエローからゴールド系のものがありますが、オーストラリア産はシルバー系が多く、フィリピン産はゴールド系が多いようです。

 

ちなみに、三重県出身のレスリングの吉田選手が国民栄誉賞を受けた時の記念品として13㎜の金色の真珠が話題になりましたが、南洋真珠だったそうです。

 和珠のアコヤ真珠からもナチュラルなゴールドが多少出来るはずなので、どうして和珠にしなかったのかな、と思って調べたら、なんと一般的にアコヤ真珠はホワイト系が好まれるためにゴールド系が出来ないようにする技術革新がされたらしく、現在ではほとんどできなくなってしまったそうです。

美意識は、時代と共に変わっていくものだと思うので、現代の市場の価値観だけでいいのか胸の痛むところです。

実は、20年ほど前に気に入って手に入れたアコヤ真珠のゴールデンのナチュラルをまだいくつか手元に持っているのですが、いずれ大切にデザインしたいと思っています。

 

南洋真珠ですと、ジェイパールではとても綺麗な南洋のケシを使ったシリーズを作っています。

ナチュラルなシルバーカラーでぽってりした愛らしい形の南洋ケシ。

南洋ケシ

 南洋ケシネックレス N-01 

 ケシとは、従来は芥子粒のように小さな真珠のことを呼んでいましたが、今は、養殖真珠の生成過程で貝に偶然、砂などの異物が入り込み、自然に出来る無核真珠のことを言います。小さなものから大きなものまであります。貝の種類によって、南洋ケシ、黒蝶ケシ、アコヤケシ、淡水ケシなどと呼びます。

ケシは敢えて作ったものではなく、偶然の産物ですので天然真珠だという考え方と、養殖真珠を作っている過程で出来るものなので養殖真珠だという考え方があるようですが、どちらにしろ、大変、希少なもので、まったく同じ形というものがなく、 一つずつが個性豊かで、とても魅力的なものです。ケシ真珠も奥の深いものですので、別の時に改めて、お話しますね。

 

ひとつづつが個性豊かな南洋のケシ真珠。生産量は南洋真珠全体の0.5パーセントにも満たないそうです。

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(何だか上手く隠れられた気がする。)

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最近出番が少ないとワタちゃんからクレームがあったので、今日はワタちゃんの凛としたショットからです。

昼間はずっと寝ていて気だるいイメージですが、夜になるとワタちゃんは誰よりもやる気満々です。

(ちゃっかりパールちゃんも後ろの方にいますね)

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今日は、養殖真珠の中の淡水真珠の話です。

 1995年にジェイパールを始めて以来、色や形が豊富で手に入りやすく、デザインのバリエーションが広がる淡水真珠にはとてもお世話になってきました。もし、養殖の技術が進化して、気軽に手に入るようになった淡水真珠がなかったら、普段のアクセサリー感覚で本物のパールが沢山の方に使っていただけるという、現在の状況はなかったと思います。

その頃すでに流通している淡水真珠はほとんど中国産でしたが、実は淡水真珠も80年ほど前に日本の琵琶湖で養殖が始まり、ビワパールと呼ばれて一時は、とても高価な貴重なものとされていました。

 

淡水真珠は、海水産の真珠と違って、ほとんどが真円の核を入れずに養殖をするので、色々な形があることと、一つの貝から複数の真珠が採れること、特有のナチュラルなピンクやパープルなど豊富なカラーがあることが大きな特徴です。

 

色々な淡水真珠。それぞれの形から、ボタン、ポテト、ライスなどの名称があります。円形の大きなものには湖水真珠と呼ばれるとても高価なものもあります。

淡水

 

そんな淡水真珠ですが、忘れもしない10年ほど前のこと。ほぼ流通していなかった2mm以下のとても小さな淡水真珠が手に入るようになり、余りの可愛らしさに作ったのがペパン(フランス語で種の意味)というシリーズです。そこから極小の真珠の魅力にどんどんはまっていくことになったのです。

 

ジェイパールのロングセラー。初めて作ってから10年ほど経ちますが、実は全商品の中で一番人気のペパンシリーズです。

一番最初に作ったペパンN-01のネックレス。細い小アズキのk18のチェーンの間にステーションに入れた小さなパールが愛らしいのです。

IMG_9407 ペパン

 

着けるとこの大きさです。

IMG_9499 ペパン

 

人気を2分するペパンN-12のネックレスです。小さな真珠をk18の金線を使ったシャンクでつないだものですが、シャンクがチェーンの美しさを決める要ですので、お客様のものを作るようになるまで、ジェイパールのスタッフが最初に延々と練習する技術です。おかげさまで綺麗なシャンクには定評があります。

ペパンネック

 

人気の理由は、単独で着けてもどんなペンダントヘッドを合わせても、上品で愛らしい、くせのない佇まいだと思います。

(ペパンネックレスのトップに付けているのは、同じく、小さな淡水パールを使ったシャンドウフレーズのペンダントヘッドです。)

ペパン 着用

真珠のためにこれからデザインしていく、と決めたのも、ペパンを作り始めた頃からでした。

 

 おととしぐらいから、中国の諸事情などにより、極小の淡水真珠の価格が高騰し、手に入りづらくなってしまいました。

小さな真珠を中心にデザインしているジェイパールとしては大打撃のようですが、所詮、自然のものですから、無秩序な乱獲はやめて、適正な価格で、少しずつ、感謝しながら、大切に扱うべきだと感じていたので、内心何故かほっとしました。素材がある限り大切に続けますが、無尽蔵にあるわけではないことを肝に銘じて作っています。

 

淡水真珠でも2mm以下の極小のものはシードパールと呼ばれますが、シードパールについては、改めて、熱く語りたいと思いますので、今日はここまで。

 

思ったより疲れるわね。

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台風は温帯低気圧に変わったようですね。

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昨日、一口に真珠といっても天然真珠と養殖真珠と人造真珠がありますよ、という話をしましたが、パールちゃんは覚えているでしょうか?

今日はその中から養殖真珠の種類のお話です。一般的にジュエリーショップで見られる真珠はほぼ全てが養殖真珠です。

 

 養殖されている真珠の種類を大きく分けると海で作られる海水産と湖や河で作られる淡水産があります。

 

 

海水産にはアコヤ貝を母貝(真珠を作る貝のことを真珠母貝マザーオブパールと言います)として主に日本の海で作られるアコヤ真珠、シロチョウ貝を母貝として主にオーストラリア、インドネシア、フィリピンなどで養殖される南洋真珠、クロチョウ貝を母貝としてタヒチや沖縄県などで養殖されている黒真珠などがあります。

 

 

淡水産はイケチョウ貝や、カラス貝などを母貝として主に中国の湖や河、琵琶湖や霞ケ浦などで養殖されていて、淡水真珠(淡水パール)と呼びます。

 

 

 それぞれに色や形、大きさなどの特徴がありますが、最初に海水産の中でも日本の真珠の代表、アコヤ真珠について説明しますね。

 アコヤ真珠は三重県の英虞湾や、愛媛県の宇和海、長崎県の対馬、熊本県の天草などで養殖されていますが、最近は中国産も出回るようになりましたので、日本産という意味で和珠という呼び名があります。

 大きさは、3㎜から9㎜ぐらいまでありますが、3㎜から6㎜ぐらいの大きさをベビーパールと呼び、8㎜以上を大玉と呼んでいます。

 海水産の真珠の養殖では、貝の中に真円の核というものを入れて、そこに真珠層が巻かれて出来ますので、真珠の大きさの違いは入れる核の大きさの違いですが、それぞれの貝に合った核の大きさがあるので、アコヤ真珠ですと、7㎜から8㎜ぐらいの真珠が一般的な大きさになります。

 色はホワイト系、ナチュラルゴールド系、ナチュラルグレー系があり、ホワイト系のものの中でも、ホワイト、ホワイトピンク、ホワイトグリーン、ホワイトブルーという区別がされています。

 

ベビーパールといっても赤ちゃんの真珠というわけではありません。

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4㎜から4.5㎜のとても綺麗な和珠ベビーパールを使った新作のアジサイモチーフのクラスプのネックレスです。

色はホワイトピンクです。

ベビーパールは生産に手間がかかるため、だんだん生産量が減っています。

ジャルダンプリマ ネックレス  N-05 アジサイのクラスプ

ベビーパ-ルのネックレス

 

着けるととても上品で、クラシックで可愛いのです。

アコヤベビー

 

後ろから見ると、贅沢です。

アジサイ

 

 

先日、2008年に公開されたフランスの作家のフランソワーズ・サガンの生涯を描いた「悲しみよ こんにちは」という映画をDVDで見ました。

若くして成功し過ぎたために辿ることになった自滅的な生涯には共感しなかったのですが、1950年代から60年代のサガンのショートカットのヘアスタイル、バレエシューズ、クロップドパンツやアコヤのベビーパールのネックレスというファッションはとても可愛くて、小生意気で粋な感じが素敵でした。

 

ですが、この続きはまたにした方が良さそうですね。

どうやらパールちゃんが飽きてしまったようなので!

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2年前の梅雨の頃に生まれて、最近2歳を迎えたパールちゃん。真っ白な毛並みと6月の誕生石の真珠に因んで、真珠のように人を癒す綺麗な猫に育つようパールと名付けられました。それからというもの、ジェイパールの仕事を頑張って手伝っているのですが、最近、ちょっとした仕事上の悩みがあるようです。

 

 窓の外を眺めながら、物思いに耽るパールちゃん。

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ジェイパールは名前の通り、真珠のジュエリーを主に大切に作っているのですが、どうやら一口に真珠といっても色々な呼び名があって、どれがどれで、何が何かわからなくなってきたそうです。

 アコヤ真珠とか、淡水パールとか、南洋ケシとか、バロック真珠とか、シードパールとか、ベビーパールとか!

 

 ベビーパール!?

ベビーパール?

 

 それで、今日から、少しずつ、パールちゃんと一緒に、真珠の基礎知識のおさらいをしていくことにしました。パールちゃんの集中力が短いので、少しずつ進みますので、長い目でお付き合いくださいね。

 

装身具でパールとか真珠という名前で呼ばれているものを大きく分けると天然真珠と養殖真珠と人造真珠があります。

 

 天然真珠というのは、貝の中で偶然が作用して自然に作られた真珠のことです。真珠は実は世界最古の宝石と言われていて、5000年以上の昔から愛好されてきました。採取には途轍もない労力が必要なので、とっても貴重なものでした。

 

 

 

 養殖真珠というのは、天然真珠が出来る原理を応用して、人為的に貝の中に真珠を作らせるようにしたものですが、養殖真珠の歴史はまだたったの100年ぐらいなのです。今、一般的に真珠といってイメージするアコヤ貝から出来た真円の真珠は全て養殖真珠ですが、実は、長い長い天然真珠の歴史に比べると短いものです。養殖真珠が出来るようになって、あっという間に余りにも大変な天然真珠の採取は衰退してしまいました。

 

 

 人造真珠というのは、貝や、ガラス、プラスチック、その他の材料で、工業的に真珠に似せて作った模造の真珠のことです。貝パール、マジョリカパール、コットンパールなど色々な名称があり、色々な種類のものが作られています。人造真珠は17世紀にフランスで作られたのが最初と言われています。

 

 あ、今日は3つだけ覚えてもう寝るそうです。続きはまた明日。

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hope chest ホープチェストという言葉があるそうです。

日本語で言うと、お嫁入り道具のような意味で、未婚の女性が結婚生活を夢見て、衣装や身の回りの物などを少しずつ集めてしまっておく大きな箱のようなものを指すようです。

直訳すると、希望の箱ですが、チェストには、胸という意味もあるので、希望で胸を一杯に膨らませて、お気に入りの小物を一つずつ大切に箱の中に集めていくというイメージが湧いてきますね。

 

お嫁入り道具ではなくても、私もまだ、代官山店を開いてない頃に、自分のお店を作ったらジュエリーと一緒に飾ろう、とか、考えながら、コツコツ、気に入ったアンティークの小物やカードなどを、集めて楽しんでいた時期がありますが、それもホープチェストのようなものかもしれません。

 

本当に気に入るものは、なかなか探してすぐに揃うわけではないので、気長に出会ったときに集めているのですが、そうこうしているうちに、更に本当に好きなものがだんだん整頓されて来る気がします。

 

今は身の丈に合わないほど高価なものも、手に負えないほど沢山のものも要らないと感じてはいますが、好きなものに出会ったら、やっぱり少しだけ無理をしてでも欲しくなるんですよね!

 

 

 ホープチェストの中にこんなものまで!

ホープチェスト