庭に咲く可憐な花々や蝶や小鳥のモチーフを繊細な絵付けで仕上げた、ジャルダン(庭園)のシリーズもスタートしてから5年以上経ちました。
パールジュエリーが主役のジェイパールでは、少し異質に見えますが、白がほとんどのパールに色と華やかさを添えてくれる特徴的で大切なシリーズになりました。
実は、頭の中では10年以上も前から作りたかったのですが、イメージしているクオリティにするためには、緻密で繊細な絵付けの技術が必要でなかなか進まなかったのです。ですが、ヴィオラトリコロルの松田の技術のおかげで、実現するようになった商品です。
今は、私がデザインをして、松田が私のイメージを汲みながら、一人で絵を描くように彩色していますので、ジェイパールとヴィオラトリコロルをつなぐような位置づけの商品ですね。
当初から、可愛いモチーフのジュエリーとして完結するというよりは、一株の花の苗から育てる小さな庭のように、手をかけて、時間をかけてゆっくりと出来上がっていくようなシリーズになればいいなと思っていたのですが、お客様達のおかげで少しずつ育ってきたように思います。
手のかかる商品なのでなかなか取り組む時間がとれないのですが、オーダーをいただくことで、後押ししていただいています。
そのくせ、うっかり写真さえも残せていないものも沢山あるのですが、タイミングよく、写真に残せた最近のものをいくつか。
特別な思いを込めて贈られたとてもロマンティックなリングです。モチーフはバラと桜です。
スズラン、ワスレナグサ、スミレ。お客様のお好きな花をブーケにしました。
こちらはご注文でまだ試作中の秋色のブローチです。涼しくなる前に完成させなくては。
ジェイパールのホームページのトップページで、真珠を銜えた小鳥が飛んできて枝に止まると、次々にバラの花が咲き始め、フランス語で
Des fleurs a votre core.(あなたの心に花を) という言葉が現れます。
おとぎ話のようですが、ジャルダンの花々が、お客様の心の中に、小さな花を咲かせることが、密かな願いです。