最近、ネットや鉱石の展示会などで、個人で気に入られた天然石のルースをご購入されてお持ち込みいただくことが増えました。
新たに発見されたという珍しい天然石なども次々と出てきて、知識のアップデートの必要を感じます。
そんな中、稀にですが、お客様のお持ち込みの天然石で、硬度の問題でジュエリーの加工をお受けできないケースがあります。大切な石で、せっかくご相談をいただいたので、そういう時はとても申し訳なく感じてしまいます。
天然石はお好みが本当にそれぞれなので、お持ち込みは大歓迎で、とても新鮮で楽しませていただいていますが、石そのものをコレクションされるのではなく、ジュエリーに仕立てる目的でご自分で石を選ばれる際のご参考に。ちょっと簡単に天然石の耐久性について。
モース硬度と靭性。
天然石の耐久性の指標としてよく知られているのはモース硬度があります。モース硬度とは、文字通り、硬さのことですが、ひっかいたりしたときにどのぐらい傷つきにくいか、を表すもので、1~10まであって、世界一硬い石であるダイヤモンドが硬度10です。(ちなみに身近なものですと、人の爪は硬度2.5、歯が7だそうです)
硬度4以下のものは、爪留めなどの加工の際に傷がついたりすることがあるため、加工をお受けできないケースがあります。ジェイパールで加工が承れなかった石は硬度4のフローライト、硬度3.5~4スファレライトでした。
モース硬度とは別に、衝撃に対しての割れにくさを表す靭性(じんせい)というものがあります。素材の粘り強さとも言い換えられるもので、硬度と靭性はイコールではないため、例えば硬度が5~6の石ですと、アウイナイト、アパタイト、オパールなどがありますが、同じ硬度でもアウイナイトやアパタイトは靭性が低いため割れやすく、オパールは靭性が高いため割れにくいです。
ちなみに真珠はモース硬度2.5~3.5にも関わらず、靭性が高いため落としても割れることはありません。
ルビーの硬度と靭性
今日はルビーのリフォーム事例のご紹介ですが、歴史が古く、古代ギリシャやローマ時代からジュエリーとして使われていたルビーは、硬度もダイヤに次ぐ9、靭性は8。先日、代官山のTサイトで毎年開催されているアンティークの蚤の市に行ってきましたが、アンティークジュエリーにも小さな可愛いルビーが使われているものが多く、長い年月に耐える宝石の魅力を再認識しました。
ルビーを使ったリフォーム事例
小さなルビーとシードパールと合わせたり、ルビーはまだまだ奥が深そうです。
ご相談を楽しみにお待ちしております!